台風が発生したら進路は数日先までわかりますが「予測できる=安心」と思っていては危険です。
自分の住む地域に接近すると分かった直後からスーパーでは飲み物やインスタント食品などが売り切れ、ホームセンターではロープやテープが品薄に。
その時になってからでは買えない間に合わない事もありますから、普段からの備えは重要なのです。
そして、台風の被害は強い風でのケガだけでなく、停電や断水、道路は冠水して土砂崩れを引き起こし大きな被害が出ることも。
したがって「台風の予報を見たらすぐ行動する」ことも大事です。
自分の住む地域に進路が当たるのであれば、家族との情報を共有し備蓄品や家まわりの点検を始めましょう。
今回の記事ではXフォロワー10万人の防災士いくみが、台風が近づいてから通過するまでの注意点と準備しておきたい防災グッズをご紹介します。

台風が近づいてきたらやるべきこと
現在、ほとんど場合は台風の発生から5~7日前に大まかな進路がわかり、接近3日前には進路がはっきりすることが多いです。
まず、5~7日前に大まかの進路が分かったら対象の地域はそろそろ準備を始めるサイン。
飲み物・ストックできる食品・ライト・モバイルバッテリー・カセットコンロのガスなどを確認しておきましょう。
気になるものは品薄になる前に買い足しを完了するのがベストです。
家の点検や避難ルートの確認も忘れずに。
庭やベランダにある鉢植えや自転車など飛ばされやすいものはできるだけ室内に取り込むようにしましょう。
飛ばされると誰かにケガをさせてしまう恐れもありますから、私は必ず行っています。
さらに、家の外の側溝や排水口は落ち葉やゴミを掃除して水はけが良くなるようにします。
詰まっていると雨水が逆流して浸水することもありますから必ず確認を。
そして、窓ガラスには飛散防止フィルムを貼っておくともしもの時にガラスが飛び散るのを防ぎます。
これらの対策は豪雨での浸水や飛来物の二次被害を減らしますからしっかりと対策をしておきましょう。
高齢の方や持病のある方がいらしたり、ペットがいたりする場合は、それぞれに必要な持ち出し品を準備してください。
移動にかかる時間や経路をシミュレーションしておくことで早めの行動と対策をとることが出来ます。

ハザードマップと家族との連絡方法の確認
まずは「ハザードマップ」で自宅や学校の周りにどんな危険があるかを調べておくようにしましょう。
自治体のホームページで見ることもできますし、役所の窓口でも手に入ります。
家族と一緒に「ここは浸水しやすい」「土砂崩れに要注意」といったポイントをチェックすると良いでしょう。
その後、もしものことを想定し、避難所までの安全なルートを決めて共有しておくと安心です。
災害時でもLINEなどの通信手段で情報を共有できる時代ですが、もしスマホが使えない場合を想定して備えておくのがベスト。
ハザードマップも紙ベースのものを準備し、家族全員の電話番号と住所を紙に書いて持っておくのも大事です。
さらに、ご近所さんとも普段からご挨拶の習慣をつけて少し顔を合わせる程度でも信頼関係を築いておきましょう。
いざというときの助け合いの力に繋がるからです。このような対策をしておくと台風への備えが強化されますよ。

買い出し前の備蓄品チェック
まずは家中の備蓄品を確認するためにリストアップしましょう。
家に何がどれだけあるかをはっきりさせることでうっかり買い忘れや重複して準備してしまうのも防げます。
モバイルバッテリーは必ず満充電にしてしっかりと使えるよう準備してくださいね。
ウェットティッシュ・トイレットペーパー・生理用品・ゴミ袋・ラップ・アルミホイルなどのストックも確認を。
また、トイレが使えなくなることも考えられるので携帯トイレも使えるようにしておきましょう。

家の耐風・防水ポイント
台風による強い風や豪雨から家を守るには次のステップで対策しましょう。
ステップ➀ 飛散物の固定や撤去
ベランダや庭に置いてある鉢植えや物干し竿は飛ばされやすいので、ガラスが割れることや、人や他人のものへのぶつける事故の原因になります。
鉢植えは部屋の中に入れて、自転車や物干し竿は頑丈なロープやネットでしっかり固定してください。
ステップ② 排水口や側溝はしっかりと掃除
落ち葉や泥で詰まった排水口は強い雨であっという間に溢れてくるので浸水の原因になります。
側溝や排水口にたまったゴミはしっかりと取り除き、水がスムーズに流れるようにしておきましょう。
普段からお掃除をする習慣があるとなお良いですね。
ステップ③ 窓ガラスへの対策
窓ガラスには飛散防止フィルム貼っておくと、もしも飛来物で割れてもガラスが飛び散りにくくなります。
台風だけでなく、地震や他の災害の対策にもなるのでわが家はフィルムを採用しています。
一時的な対策であれば養生テープを使う方法も。
ただし、勘違いしがちなのが、どちらの方法も窓ガラス自体が強くなるわけではありません。
シャッターがあるなら閉めておく、ステップ➀の飛来物への対策などをしっかりと行うことが重要です。
また、マンションのベランダは排水溝が狭い場合があり、溜まった泥や落ち葉を上手くすくい出せずに放置してしまっているお家も多いです。
細い溝や届きにくい位置でも使える伸縮性と、191gの軽さでお掃除もラクラクな「伸縮ドロ上げシャベル」があると簡単に綺麗にできますよ。

すくうだけで水が抜けてくれるので、雨が降って濡れているときでも使いやすいです。

家族に要配慮者やペットがいる場合の注意点
「要配慮者」とは災害が起こったときに自分の身を守るのが難しく、周りの助けが必要になる人たちのこと。
乳幼児がいる場合は粉ミルク・おむつ・授乳ケープが必要です。
持病のある方は常備薬などをすぐに持ち出せるようにしておく備えも大事です。
そして、自治体では要配慮者向け支援登録ができることになっています。
もし避難所に行くことになった場合はスムーズにサポートが受けられるので申請しておきましょう。
避難も早めの対応が必要です。
市町村から警戒レベルの3高齢者等避難が発令されたときにはすぐに避難ができるようにして下さい。
ペットがいる場合はキャリーケース、ペットフード、トイレシーツを持ち出し用に準備しておきます。
避難する場合はペット受け入れが出来ない場所も多いので、必ず事前に自治体に問い合わせて確認をするようにしましょう。

台風接近中と通過後に気をつけたいこと
台風が来ているときに外に出ることは突風で飛来物に当たったり、豪雨後の道路で足元をすくわれたりする危険があります。
外出を控えるのはもちろんですがそれ以外にも気を付けるべきポイントがあります。
例えば、電線や水道管の破損などで停電や断水が起こることも考えられます。
さらに、信号や照明は消えてトイレを使えなくなることもあります。
次は台風の接近中にやってはいけないことや、停電や断水の対策、通過したあとの二次被害準備するべきアイテムについて詳しく解説します。
台風で街に被害が出ても冷静に行動できるよう、ポイントをしっかり押さえましょう。

台風でのNG行動
「外へ出て様子を見よう」台風が近づいているときにそんな事は厳禁です。
屋外には強風で飛んできた瓦や看板、自転車、ガラスの破片などの危険物が散乱しています。
もし風雨が弱まっていると感じても、突然の突風が起こることがあるのが台風。
一瞬にして命に関わるので安易な気持ちで絶対に家の外には出ないで下さい。
また、家族との緊急連絡を取れるようにスマホやモバイルバッテリーの充電も早めにしておくようにしましょう。
そして、ニュースで警戒レベル確認をしっかりと行ってください。
警戒レベルが2になるまでに避難の準備をし、警戒レベルが3になったら避難を始めるようにしましょう。
警戒レベル3は「高齢者等避難」とされていますが、実際に警戒レベル4が出るのを待ってから避難を始めるるのでは遅いです。
警戒レベル4で「全員避難」が必要な状況として発令されるのでそれまで待っていると考える人が多いです。
でも、この時にはすでに道路が冠水するなど動きづらい状態になって避難所にたどり着けなくなる恐れがあります。
したがって、警戒レベル3の「高齢者等避難」が発令されたら防災リュックを取りだして安全な場所に移動し始めましょう。

台風時の停電や断水への備え
もし停電が起こったらまずブレーカーを一度落としましょう。
これは電気が復旧したときに起こる通電火災を防ぐためです。
冷蔵庫はできるだけ開け閉めしないようにして、冷気を逃さないことで食料の鮮度低下を防ぎましょう。
断水時にはトイレは携帯トイレを使うようにして、手洗いはウェットタオルや除菌グッズで代替します。
スマホは節電モードにして必要なこと操作だけとどめてバッテリーを長持ちさせましょう。
さらに、モバイルバッテリーも満充電で備えておくようにして下さい。

台風が通過した後に起こる二次被害への対策
台風が過ぎると空が明るくなるので油断しがちですが、道路や河川はまだまだ危険です。
まず、冠水している道路を安易に渡ると、足元をすくわれ大けがをすることがあります。
台風が通過した後は強い風で倒れた木や看板、散らかったガラス破片による転倒での切り傷、頭をぶつけてしまうような事故が起きやすいです。
また、しばらくは増水することがあるので、河川や水路に近づいて様子は見に行かないで下さい。
もしも復旧の作業を手伝う場合には、危険なことが潜んでいますから防水長靴・手袋・ヘルメットの着用は必須です。
単独で行動せずに必ず二人以上で動いて声をかけ合いながら慎重に進めて下さいね。

台風シーズンに用意するべき防災グッズ
台風シーズンに用意するべきアイテムは、雨風への対策、情報収集、生活維持ができるものが良いです。
雨風への対策には撥水性の高いレインコートだけでなく、滑り止め付きの長靴も準備して水たまりでの転倒リスクを減らしましょう。
情報収集の備えとして、ラジオとモバイルバッテリーを。
停電や通信が途絶えた時でも情報を逃さず安全に行動することが出来ます。
生活を維持するには普段から飲料水(1人1日3L×3日分)、レトルト食品や缶詰をストックしておくといいです。
さらに、簡易トイレ、ウェットティッシュを備えておくと、衛生面の対策にもなります。
また、晴れていても突然の豪雨が起こりやすい季節でもありますので傘を持ち歩く機会が増えます。
猛暑の対策も兼ねて晴雨兼用の日傘を持ち歩くことも大切です。

また、突然の豪雨で濡れた傘をそのまま持ち歩くとバッグや足もとが濡れることもありますが、傘袋があるとスッキリします。
生地と生地が特殊な素材でお互いくっつくロール傘袋は、くるくる丸めるだけで簡単に傘やペットボトルの水滴をもらさず持ち歩けるのでとても便利。
このように巻くと濡れた傘専用のポーチとして大活躍!

内側は吸水性のあるマイクロファイバー素材で雨水をしっかりキャッチし、水をしっかりはじく撥水加工になっています。
特に、折りたたみ傘に対応したショートタイプでは傘を使った後でもバッグの中を濡らさずに仕舞えますよ。

カラビナ付きなのでバッグと一緒に持ち歩けて突然の雨も安心です。

シンプルなワンタッチ留め具で簡単で使いやすいのも嬉しいアイテム。

この時期は晴雨兼用傘やレインコートと一緒に備えておくととても便利です。
まとめ
台風に備えるということはただ備蓄品を揃えておくことではありません。
進路予報に沿った適切な行動と安全の確認を計画的にしていくことが大切です。
接近する事が分かったらすぐに準備を始めて、接近3日前までに買い出しと家まわりの点検を終えておきましょう。
台風が近づいたら外に出ないでいいように準備しておき、スマホの充電や必要な情報の手段を確保。
ニュースをチェックして自治体から発令される警戒レベル3で避難を始め、レベル4までに安全な場所へ移動します。
さらに、停電・断水時の対応や通過後の二次被害にも注意し、備えるべきアイテムを準備しておいてください。
しっかり備えることで安心感を持ちながら台風シーズンを乗り切ることができますよ。
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