今、SNSで「2025年の7月5日に日本で大きな災害が起こる」という話が広まっています。
こんな情報がしょっちゅう耳に入ると不安になったり、気にしてしまったりする方も多いのではないでしょうか？
未曾有の災害がいつ起きるかわからないからこそ、こうした予言めいた話につい心がざわついてしまいますよね。
でも、これこそがデマが広がりやすいまさにその瞬間。
大きな災害が起こるかも？と考えると私たちは少しでも状況を知ろうと情報を求めるようになります。
そして、不確かである情報も私たちの心に入り込みやすくなる時でもあります。
スマホで誰もが簡単に情報を送れるようになった今、あっという間に拡散されて不安な気持ちが暮らしに影響してしまう事も。
「どこから情報を手に入れればいいの？」
「どれがホントで、どれがウソなの？」
今回のブログでは防災士のいくみが災害での噂（うわさ）話についてどういう対応をするのが適切かをお伝えします。
大切な人たち、そしてあなた自身の安全を守るためにぜひ最後まで読んでくださいね。
災害に関する正しい情報を見極めることの大切さ
多くの人にとって予想できない災害は不安であり、いろんな情報を求めてしまうものです。
特にSNSを使えばだれでも簡単に情報を多くの人に届けられてしまう今の世の中。
誰かのテキトーなつぶやきや真実でない事でもあっという間に本当のことのように広まることも。
世間をパニックにさせたり、正しい情報をかき消してしまったりすることで、却って大きな被害をもたらします。
ひどい場合は救援活動の妨げになり、社会秩序を混乱させたりする深刻な事態になります。
根拠のない情報がどうして危ないのか？
具体的な例を見ながらその実態とそれが私たちの社会全体にどんな影響を与えるのかを考えていきましょう。
正しい情報を見極めることが出来るとうわさ話やデマに惑わされないで安全に備えられますよ。
【事例1】〇月〇日に大きな地震が来るという予言がある
みんなを不安にさせる情報の1つが具体的な日付を指定した地震の予知や世界の終わりみたいな話です。
例えば「来週の〇曜日にすごく大きな地震が来るよ」という情報がSNSで流れるとあっという間にみんなが信じてしまうことがあります。
今でしたら2025年7月5日の予言もこれに当たりますね。
こんな予言の多くは特定の人が「未来が見える」「神様からのお告げがあった」なんて言ったり、昔からの言い伝えや過去の災害から都合よい部分を取って作られたりすることが多いです。
今回は「私が見た未来」という漫画が過去に東日本大震災を的中させていたという話からきているそうです。
過去の有名な例だと1999年の「ノストラダムスの大予言」世界が終わると言われた本が大ヒットしてたくさんの人が不安になった歴史があります。
でも、こんな予言には科学的な根拠はありませんし、本当にその予言通りに災害が起きたことはありません。
それでもなぜ人は予言を信じてしまうのか？
人はコントロールできないような大きな不安に直面すると、なぜ？という理由や、どうすればいい？という解決策を強く求めます。
科学がまだ十分な答えを出せない地震の予知のようなテーマはまさにその典型。
たとえ根拠がなくても「〇月〇日に起こる」といったハッキリとした「答え」を提示されるとそれにすがってしまう心理が働きます。
さらに、多くの人が不安を口にしているとしたらその情報が「みんなが信じているから正しいのかも」と感じてしまい、必要のない行動を取る人も増えます。
結果、社会の動きが止まったり、ゴタゴタになったりする可能性が。
実際に7月に外国の方が日本に観光に来るのを控えることにより、飛行機の便数が減らされた事実があります。
つまり、その後の暮らしや経済に影響を及ぼすことになりますから根拠のない予言を信じたり広めたりするのは危険なのです。
【事例2】動物の動きがおかしいから大きな地震が来る
古くから地震の前に動物が普段と違う行動をするという言い伝えは世界のいろんなところにあります。
日本では「ナマズが暴れると地震が来る」という有名な言い伝えもありますね。
他にも、鳥が急にたくさん飛び立つとか、犬や猫が落ち着きをなくすとか、深い海の魚が海岸に打ち上げられる、なんて話も。
これらの話は、科学的な研究で完全に間違いだと言い切られたわけはありません。
でも、動物の変わった行動と地震が起きることにハッキリとした関係があることは今の科学では証明されていないのです。
動物の行動は、天気の変化、食べ物があるか？他の動物がいるか？など、いろんなことで変わります。
だからその行動を全て地震と直接結びつけるのは、ちょっと早すぎるのです。
でも、地震への不安が高まっているときに、動物が変な動きをしているっていう情報が流れたらどうでしょう？
それを地震のサインだと受け止めてしまう人が増え、いらない不安や混乱招く原因になります。
特に、SNSでそんな情報が写真や動画と一緒に出回るとどんどん拡散されます。
そうなることで間違った情報の連鎖が生まれてしまう危険も。
くれぐれも今の時点で科学的な根拠がない情報に惑わされないように注意しましょうね。
【事例3】空に変な形の雲が見えたから地震が近い
空に変な形の雲が現れると、あれは地震雲だとささやかれることがあります。
特に、線みたいな雲や波打つような雲、あるいは変わった色の雲なんかがSNSでよく話題になりますね。
でも、天気や地震の研究をしていらっしゃる専門家さんが地震雲は存在しないというお話をされていました。
雲の形は、空の風の流れ、空気の圧力の変化、湿度、気温など、いろんな天気の条件で常に変わっているもの。
例えば、飛行機雲が長く残ったり、夕焼けの空に変わった雲が見えたりすると、それが地震雲だと間違って思われるケースがたくさんあるのです。
根拠のない情報にフリ回されてしまって、時間や心のエネルギーをムダにしてしまう事にならないように気を付けましょう。
【事例4】赤い月が見えたから地震が起きる
昔から世界のいろんなところで、月や太陽の色、あるいは他の星の動きが何か悪いことや災害が起こる前ぶれとして伝えられてきました。
特に「赤い月」はちょっと不気味な感じがするので、地震や大きな災いの前触れだと信じている人も多いでしょう。
でも、月が赤く見えるのは「レイリー散乱」という光の現象で説明がつきます。
細かい部分の話ですが、地球の空気中に含まれている細かいチリや水蒸気なんかの小さな粒は光の波長によって散らばり方が違います。
その違いから、太陽の光が空の低いところにあるときや、火山灰みたいに細かい粒が空気中にたくさんあると青い光が強く散らばります。
そうすると、残った赤い光が私たちの目に届いて月や太陽が赤く見えるという現象なのです。
したがって、科学的な根拠がない言い伝えや迷信にまどわされずに落ち着いて情報を判断することが大事です。
災害の噂（うわさ）話から身を守るために
次に大事なのは、私たちがうわさ話を見分けて、それに流されない具体的な方法を学ぶことです。
情報があふれる今、正しいことを見分ける力、いわゆる情報リテラシーは、防災のためのとっても大事なスキル。
国や役所からの情報を優先して信じること。
いろんな情報源で同じ内容かどうかを確認すること。
見極めるために知っておくべきことがいくつかあります。
そして不安な気持ちがうわさ話を広げる原因になるってことを知って、冷静な行動することが大事。
自分や大切な人を守るためにはこれからお伝えするポイントを実践していきましょうね。
これらの方法は、普段から意識して習慣にしておくことで、いざというときに正しい判断ができるようになりますよ。
必ず国や自治体の情報を確認しよう
災害のときに信じるべき情報源は気象庁、住んでいる自治体、警察庁、消防庁などの機関が出している公式な情報です。
これらの機関は、科学的なデータに基づいて正確で確認が済んでいる情報を提供してくれます。
このような信頼できる情報にいつも耳を傾けるようにしましょう。
もし友達や知り合いからの情報や、SNSで「〇〇さんが言ってた」のように個人が送る情報が来たとしたら？
たとえ善意の気持ちで送られたものでも、間違ったことや、本当じゃないことが混ざっている可能性があると考えて下さい。
国や自治体は、災害の状況、どこに逃げればいいか？電気やガスなどの生活の元がいつ直るか？復旧の見込みなど、私たちの命や生活に直接関係する大事な情報を教えてくれます。
これらの情報を必ず確認して行動の基準とすることがうわさ話にまどわされないために大切なことです。
いろんな情報源でニュースを確かめる
皆さんに知っておいていただきたいことですが、１つの情報だけですぐに判断するのはとても危ないです。
特にSNSで流れてくるような情報は、いろんな情報源で内容が同じかどうかを「クロスチェック」するクセをつけましょう。
例えば、ある避難場所の情報がSNSで流れてきたら、お住まいの自治体公式サイトや、他の有名なニュースでも同じ情報が報道されているか確認を。
情報源が1つしかなかったり、名前を出していないアカウントからの発信だったりする場合は本当である可能性は低いと考える方が良いです。
送られた情報がいつのものなのか？何時に発信されていつ更新されたかも必ず確認してくださいね。
災害の状況は、どんどん変わっていくので古い情報が今の状況と違っていることもよくあります。
いろんな方向から情報を確かめる気持ちは、私たちをうわさ話から守ってくれますよ。
噂（うわさ）話は不安な気持ちが広げる
災害のときは多くの人が大きな不安やストレスを感じて、冷静な判断が難しくなるものです。
このような心の状態はうわさ話が生まれやすく、また気づかないうちにそれを広げてしまう原因にもなります。
人は、どうなるかハッキリしない状況になると少しでも安心できる情報や、状況を説明してくれる情報を求めます。
たとえそれが根拠のない情報でも「もしホントだったら大変だ」「誰かに教えないと」という善意からの焦りも生まれます。
「早く知らせなきゃ！」という気持ちが先走って、その情報が正しいかどうかを見る前に達や家族に送ってしまうことも。
でも、この「善意の気持ち」が結果としてうわさ話を広げ、残念なことに社会全体を混乱させることにも繋がります。
したがって、まず私たち一人ひとりが自分の心の中にある不安や焦りを冷静に受け止めることが重要。
情報を誰かに伝える前に「これって本当に公式な情報かな？」「誰かの不安をあおってないかな？」と考えてみるクセをつけましょう。
簡単に「広めること」は絶対にしない
もしハッキリしない情報や、不安をあおるような話を見かけたら？
決して簡単にSNSなどでシェアしたり、伝えたりしないようにしましょう。
あなたが何気なく送った情報が、瞬く間にたくさんの人に広まってどうにもならなくなることがあります。
特に、うわさ話は「広めたい」「注目されたい」っていう人の気持ちを利用する形で広まることが多いです。
例えば、災害のときに「〇〇にいる人たちが危ない状態だ！」という情報が流れた場合はどうなるでしょう？
もしウソであってもたくさんの人が心配してそれを広めてしまい、結果として助ける活動の邪魔になったり、別の混乱を生み出したりする可能性も。
過去の災害では届くべきところへの救助活動に遅れが出たケースもあります。
もし疑わしい情報を見つけたら、安易に拡散しないでそこで情報を止める勇気がとても大事です。
また、間違った情報だと知らずに広めてしまった場合はすぐに対処しましょう。
その情報を消して、間違っていたことを伝えるなど、責任ある行動をして下さい。
私たち1人ひとりがウワサ話を食い止める気持ちを持つことが、災害時の情報が混乱するのを防ぐ上で重要なのです。
そして、災害は予言できませんが、言い換えると常に起こる恐れがあるということ。
うわさを耳にするときは備えを確認するための警告だと考える良い機会です。
例えば、地震が来たときに大きな家具や食器棚は固定していて倒れなくても、中身が飛びだしてケガをするという盲点があります。
かといって、扉を出し入れするたびに固定するのも億劫でだんだんやらなくなってしまいますね。
そんなわずらわしさから解放されるのが「揺れ感知式扉ロック」
棚の内側に取り付ける簡易タイプのストッパーです。
地震での揺れを感知したときに扉を自動で固定してくれるので普段は普通に開閉します。
ロックがかかった後も簡単に解除ができますし、取り付けをするのもネジやエ具は使わずに両面テープで設置できるのでとても簡単。
他にも、落ちてきたものを踏むと足の裏をケガしてしまい、その後の行動にも支障が出ます。
普通のスリッパを用意してる方が多いと思いますが、ガラスが貫通したり、ひっかけて脱げやすくなったりするのが心配。
でも、こちらの「釘」も通さない特殊シートが施されているスリッパ「足まもりっぱ」だと安心です。
釘も通さないと聞いたので
私も実際に画びょうを踏んで実験してみましたが平気でした！
普段はかかとを踏んで普通のスリッパとして使えます。
非常時にはかかとを起こし、足にフィットさせて脱げにくくできるので安心ですよ。
また、停電対策の確認も大事です。
懐中電灯を用意されている方も多いですが、明かりが1つの方向にしか向かずに全体を照らしにくいのがデメリット。
私はたくさんの方向を照らせる多角度LEDランタンをおススメしています。
明かりの角度も変えられます。
懐中電灯のように持ち歩くこともできますし、停電の時だけではなく、夜の散歩やアウトドアにも活用できるのでとても便利です。
今お持ちの防災グッズにも不足している部分はないか？
見なおすことで安全な暮らしを強化しましょう。
まとめ
災害はいつ、どこで起きるかわかりません。
だからこそ、普段からの備えと情報に対して正しい気持ちを持つことが私たちの命を守るための大事なカギになります。
インターネットやSNSが広がった今。
私たちは情報のおかげでたくさんの良いことが得られる一方で、不確かな情報という目に見えないものにもさらされています。
地震や災害に関わる「予言」や「言い伝え」あるいは「動物の変な行動」や「特定の雲」といった情報もたくさんあります。
でも、科学的な根拠がない情報にまどわされないで常に冷静な判断を心がけましょう。
災害のウワサ話から身を守るためには
国を始めとした公的機関を優先して信じること。
いろんな情報源でウソかホントかを確かめること。
自分の不安な気持ちがウワサ話を広げないように気をつけること。
そして何よりもハッキリしない情報を簡単に広めるのは絶対にしないこと。
この四つの柱が重要です。
情報を見分ける力を持つことが災害に強い社会を作る土台になり、自分自身と大切な人を守ることに繋がりますよ。
この記事を書いた人の自己紹介
いくみ（Xフォロワー10万人の防災士）
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