自然災害や、まさかの出来事がいつ起こるかは予測できません。
突然、電気が止まったり、お店から食べ物がなくなったり、水が足りないなんて想像すると不安になっちゃいますよね。
でも、大丈夫です!簡単に始められて、しかもいつもの生活に溶け込む、備えの形があります。
それが「ローリングストック」です。

特別な非常食をたくさん買うのではなく、普段から食べている食料を少し多めに用意して使ったら補充する、たったそれだけ。
防災グッズの置き場所も効率よく、いつもの暮らしでも食べものの賞味期限を切らして無駄になることを防ぐメリットがあります。
しかも、もしもの時も食べ慣れたものが口にできるので、非常時でも心や体にも安心です。
今回の記事ではXフォロワー10万人の防災士いくみがローリングストックの必要性から具体的なやり方とメリットについてお伝えします。

なぜ今、「ローリングストック」が必要なの?
私たちの暮らしではいつどのタイミングで災害やアクシデントに遭うか予想はできません。
地震、噴火、台風、大雨、それ以外に感染症が流行することも。
そんな時に私たちの生活を支えるもの、特に「食べること」が困難になるのは想像以上に辛い日々でとストレスをもたらします。
災害の影響で電気やガスが止まったり、お店から食べ物がなくなったり…ショッキングな事も実際に起こりました。
そんな場面がやってきたときはどうやって生活を守るのか?
防災のイメージでは、災害用の非常食を用意しておくと考えている人も多いです。
でも、それには大きな問題もありました。
家の奥にしまっておいて何年もそのままにして賞味期限が切れてしまう事も多いからです。
これではせっかくの備えも役に立たないし、買ったものを捨てることになるからもったいないですよね。
しかも、食べ慣れてない非常食は、いざとなったら口に合わず不安な時にさらにストレスになることも。
だから、お腹を満たすだけでなく、心を落ち着かせるための食べ物のストック法がとても大切なのです。

備蓄の課題は「使えない」現実
平和に暮らせたからである証拠でもあるので喜ばしい事ですが、非常食をストックしていても使う場面がこない事も多いです。
せっかく買ったのに、気がついたら期限が過ぎていて捨てるしかない、なんてことも。
これは、お金が無駄になるだけでなく、食べ物を無駄にすることにもなります。
また、家族みんなの何日分もの食料をストックするにはかなり広い場所が必要ですよね。
特にマンションなどでは収納スペースが限られているご家庭も多いです。
ですから、備蓄品が生活空間を圧迫してしまうので必要と思ってもストックが出来ないという悩みもよくお聞きします。
さらに、意外と見落としがちなのが、「いざという時に使えない」という現実。
いざという時に口にできないのなら、せっかくの備蓄もストレスをためる結果になってしまうかもしれません。

「非常食」から「日常食」へシフトする考え方
いざとなったら食べられない非常食の問題を解決してくれるのがローリングストックです。
これは「いつも使っている食料品を少し多めにストックして、食べながら買い足していく」というとってもシンプルな方法。
災害時にしか食べないであろう特別な非常食をたくさん買い込むのではありません。
いつもご家庭でよく食べているレトルト食品や缶詰、乾麺などがストックすべきポイントです。
そうすると災害用の非常食のストックをたくさん集めなくて良いですし、いつも新鮮な食料が家にきちんと揃っている状態にできます。
しかも、いつのまにか賞味期限が切れてしまって捨てる前に気づけるので、家計にも優しいですよ。

ローリングストックでもしもの時も「いつも通り」を
もし災害が起きてしまったら、私たちが一番強く求めるものの1つに安心感があります。
今までと違う慣れない環境、そして食べ物や水が足りない状況には大きなストレスと不安。
でも、そんな中でも普段から食べ慣れている味、食べ慣れたものを口にすることができたらどうでしょう?
ただでさえも困難な状況で苦しい中でも、ほんの少し心にゆとりが生まれるはずです。
いつも食べていたレトルト食品や缶詰などは、自分にとっては馴染みのある味ですしアレンジ方法もわかっていますよね。
だから、大変な時でも簡単に食べられて栄養も摂れますし、心も満たされます。
特に、小さな子どもさんがいらっしゃるご家庭ではしっかり準備していただきたいです。
慣れない非常食よりも、いつも食べているお菓子や食べ物などがあると子どもさんの不安な気持ちを和らげてあげられますよ。

ローリングストックの重要性
災害が起きるとすぐに電気やガスが止まったり、お店から物が無くなったりすることがあります。
そんな時でもお家に十分な食べ物があれば支援が来るまでの間、自分たちの生活を続けることができます。
ローリングストックをしていることで心配が減る分、落ち着いて行動できる心の余裕も生まれるでしょう。
そして、暮らしの安全面からも重要な役割があります。
災害を含め、何らかの理由により食べ物が不足すると社会が混乱することも実際に起こってきました。
こうした不安が高まると、買い占めなどが発生して買いたくても買えないことも。
家に食べ物があればお店に人が殺到してパニックになるようなことも避けられますよね。
したがって、ローリングストックは社会全体の安全を高める上で、とっても重要な役割もあります。

今日から始める!ローリングストック実践ガイド
ローリングストックをするのに特別な知識や高価なアイテムは必要ありません。
したがって、今日からすぐに始められるとってもシンプルで方法です。
大切なのはちょっとだけ意識を変えるのと、無理なく続けること。
最初から完璧を目指さなくていいのです。
大切なのはご家族の人数や好きな食べ物、ライフスタイルに合わせて柔軟に計画を立てること。
まずはできることから少しずつ始めてみましょう。
次はローリングストックを効果的に行うための具体的なステップを分かりやすくご紹介します。
リストの作り方から、普段のお買い物での考え方、そして備蓄品のチェック方法など。
これらのヒントを参考にして、あなたとご家族に合ったローリングストックのサイクルを作ってみて下さいね。

まずはわが家の「備蓄」を見える化しよう
ローリングストックを始めるときに最初にやるべき重要なのは、わが家にとって必要な備蓄品をリストアップすること。
やみくもにたくさん買うのではなく、家族の人数や好きな食べ物、アレルギーの有無などを考えてみましょう。
その上で、普段から食べていてもしもの時に役立つ食べ物をピックアップしていきます。
まずは、普段の食卓によく登場する食べ物をざっと書き出して。
例えば、レトルトカレー、缶詰(ツナ缶、サバ缶)、パックご飯、パスタ麺、フリーズドライのお味噌汁、栄養補助食品、野菜ジュース、お菓子など。
特に、ご飯やパン、麺類などの主食は、ある程度多めに用意しておくと安心ですよ。
さらに忘れてはいけないのが飲料水。
飲むだけではなくて料理にも使うので1人1日3リットルを目安にしてこちらも最低3日分は用意します。
まずはこのリストを作ってみると何がどれくらい必要かはっきりわかるようになりますよ。

買い物での「ちょい足し」習慣で無理のない備蓄を
ローリングストックをしていく上でいつもの買い物に少しだけ変化を加えていくのが無理なくストックを増やす秘訣です。
決して、特別な日にまとめて買い出しに行くのではありません。
よく行くスーパーやコンビニでのちょい足しを意識するだけ。
例えば、普段買うレトルト食品を1つ多くカゴに入れる、缶詰が特売の時にいつもより少し多めに買う、といった簡単なことで十分です。
実は大切なのは、一度に大量に買い込まないこと。
一度にたくさん買うことで収納スペースを占領したり、管理が難しくなったりで途中で嫌になる原因にもなりかねません。
無理なく続けられる範囲で、少しずつ増やしていくことが私のおすすめです。
この習慣が身につくと、気づかないうちに家庭でのストックが着実に増えていきますよ。

使う時は「奥から手前に」!無駄なくおいしく
ローリングストックにおいて大切なルールは、先入れ先出しです。
これはストックした食べ物を無駄なく効率的に消費していつも新鮮な状態を保つために重要なことです。
とはいえ、先にストックしたもの(賞味期限が近いもの)から先に使うという簡単なこと。
スーパーマーケットで店員さんが商品を並べる時にも使われる基本的な考え方です。
つまり、先に買ったものや賞味期限が近いものから消費しやすい流れを作るということ。
これを習慣にすることで、賞味期限切れで食べ物を捨てることをぐっと減らすことができますよ。
また、しまう場所を工夫することも先入れ先出しをやっていく上で大切です。
例えば、ストック品専用の引き出しや棚を作って、そこを置き場と決めてしまうのもいいですね。
さらに、定期的にストック品のチェックをして古いものから積極的にいつもの食卓に取り入れて使ってみましょう。

お米の備蓄はマスト!もしもの時の最高の癒しに
ローリングストックの中でも欠かせないのは主食であり、特にお米はしっかり準備しておきたいです。
お米は正しく保存すれば長く持ちますし、日本に住んでいると食べ慣れているものですよね。
したがって、災害が起こったときも体だけでなく心の支えになってくれます。
そして、温かいご飯を口にすることで不安な気持ちが和らいで心に安らぎを与えてくれる最高の癒しとなるでしょう。
お米を備蓄する量は家族の人数と1日に食べる量を考えて計算できます。
目安は1人1日お茶碗約2杯分(約150g)を最低でも3日分、できれば1週間分を用意しておくのがおすすめ。
そして、お米は密閉できる容器に入れて涼しい暗い場所にしまえばストックが長持ちします。
また、ガスや電気が止まって炊飯器が使えない時はカセットコンロとお鍋があればご飯を炊けますよ。
食品調理袋(アイラップ)を使ったご飯の炊き方をご紹介します。
❶お米を袋に入れる
❷お米の1.2倍量の水を入れる
❸空気を抜いて袋をしっかり結ぶ
❹お鍋に水を入れカセットコンロで沸かす
この方法のメリットはお鍋やお皿を汚さずに袋のまま食べられて清潔なこと。
お鍋に直接お米をと水を入れて炊くことも可能ですが、汚れて洗い物がでます。
災害では断水で水の制限がある可能性がありますから、節水できるのも良いところです。
ただし、アイラップは普通の袋より耐熱性がありますが、そのまま火にかけると破れる恐れがあります。
鍋の底に袋が触れないように耐熱皿を敷いてくださいね。
また、高温に耐えられず溶けるので他の袋で代用するのもいけません。
アイラップなど食品調理袋を使うときは、耐熱温度などの注意書きをしっかり読んで正しく利用してください。
そして、今年実際に起こったようにもしかしたら何年も前の備蓄米でストックを確保しなければならないこともあるかもしれません。
せっかくお米があっても、美味しく炊けなかったら…って不安もありますよね。
いつものように、いや、それ以上に美味しいご飯が食べたい。
そんなときに役だつのがお手軽な上に驚くほどふっくらご飯が炊ける「こめつぶちゃん」
いつものお米が買えなくなって、少しパサつくお米を利用中の私も使ってみましたが、ホクホクさが増していて美味しくいただきました。

まるで土鍋で炊いたみたいにしっかりしてふんわりしたご飯が炊き上がります。

こちらは、こめつぶちゃんを使わず普通に炊いたご飯です。
少し黄ばみがありますね。

ですが、同じお米にこめつぶちゃんを使用して炊くと白いごはんになります!

お米の表面のタンパク質を分解する効果でお米の甘みがアップ。
さらに遠赤外線の力でふっくら仕上がります。
抗酸化効果があってご飯の劣化や黄ばみも抑えてくれるのも嬉しいポイント。
洗って何度も使えるのでひとつあると便利ですので、ローリングストックの1つとしてお米と共に常備しておくことをおすすめします。

美味しいご飯がもしもの時のあなたとご家族の笑顔を守る強い味方になってくれますよ。
まとめ
備蓄って聞くとなんだか大変そう…と思っていた方も、ローリングストックを知って、もっと身近なものに感じていただけたでしょうか。
特別な非常食をたくさん買う今までの備蓄とは違います。
普段の食べ物を少し多めに買って、食べたら補充するというとっても合理的で続けやすい方法です。
これなら、賞味期限が切れてしまって捨てるものも減りますし、置き場所に困ることもなくなります。
そして何よりもしもの時に、普段から食べ慣れたものが食べられるという安心感は何ものにも代えがたいものです。
もし災害が起こったら、私たちは体も心も疲れ果ててしまうでしょう。
そんな中で、いつもの味、温かい食事がくれる心の安らぎは本当に大きな力になります。
心も体も元気でいるために「食」が安定していることはとっても大切。
今回ご紹介したやり方を参考にまずはできることから少しずつ始めてみてくださいね。
ローリングストックを実践し、もしもの時にも食べる安心を確保してあなたとご家族の生活を守りましょう。
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